参加者 受講生:12名 オブザーバー:7名 講師:8名 補助員:2名
平成25年7月18日(木)
(時限)3時限 (科目)開講式 (講師)理事・監事
「 オリエンテーション 記念撮影 」
・松枝副理事 開会のことば
・塚本理事長 挨拶
・文化庁文化財部参事官(建造物担当)調査部門
文部科学技官 西岡 聡 様 挨拶
・独立行政法人 国立文化財機構 東京文化財研究所
所 長 亀井 伸雄 様 挨拶
・受講者確認・紹介
・オブザーバー確認・紹介
・北原副理事 カリキュラム説明
・理事紹介
・記念写真撮影 (全員参加)
平成25年7月18日(木)
(時限)4,5時限 (科目)保護・法規
(講師)文化庁文化財部参事官(建造物担当)調査部門
文部科学技官 西岡 聡 氏
・資料とスライド
「 文化財保護:保護法・建築法規等関係法規の概略 」
・文化財保護法とは
・文化財の体系の説明
・国宝および重要文化財指定基準について
・登録有形文化財の理念と基準
阪神大震災時の重文15番館の写真を交え解説。耐震補強をする際の理念
1意匠を損なわないこと
2部材を傷めないこと
3可逆的であること
4区別可能であること
・建築基準法
昔の建物にはこれに当てはまらないものが多く、バランスをとりよい方法を選択する。
平成25年7月18日(木)
(時限)6,7,8時限 (科目)修復概論
(講師)独立行政法人 国立文化財機構 東京文化財研究所
所長 亀井 伸雄 氏 ・資料とスライド
「 文化財建造物の保存修理と保護行政の現状について 」
・文化財保護の歴史と文化財保護法
文化財保護法の目的=国民の文化的向上に資する世界文化の進歩に貢献する。
文化財建造物の保護の歴史と指定基準について
・文化財建造物の保存修理事業について
文化財修理における考え方や補強例を唐招提寺等の写真を交えて解説。
技術の保存と継承への取り組みを紹介。ふるさと文化財の森構想など
・登録有形文化財について
登録基準について
伝統的建造物群保存地区選定基準について。篠山、日田市の修理事業例を例に挙げ解説。
平成25年7月18日(木)
(時限)9,10時限 (科目)仮設計画、木工事、左官工事
(講師)NPO法人・選定保存技術保存団体 日本伝統建築保存会
会 長 西澤 政男 氏 ・資料とスライド
・仮設計画
足場、素屋根などの規定について。
・木工事
大工技術の解説。各種広報の解説。
継手、仕口、込栓、胴栓、鼻栓、車知、引合い、差し鴨居、かけご等の解説。
・左官工事
屋根まわり、壁工事、漆喰彫刻、土壁等の解説。
平成25年7月19日(金)
(時限)1、2、3時限 (科目)調査方法・概要
(講師)公益財団法人 文化財建造物保存技術協会
参与 高品 正行 氏 ・資料とスライド
「 粘土瓦の変遷、製造、意匠の変遷 」
・日本瓦製造の概要と歴史
各地域の瓦を紹介しながら、製造方法や機能を解説。
中国や新羅の文献から古代の製造工程を解説。
日本に技術が入ってからの唐草や蓮華紋から頻繁に三つ巴が使われた江戸時代までの解説。
・唐草紋の意味
人間の根源的なものを図案化されたものが渦であり、巴や唐草に積極的にとりいれた。
・粘土瓦の気孔性
小林章夫氏の新聞記事を用いて、気孔性の重要性について説明。真空土錬機による
瓦が引き起こす結露の問題を提起。
平成25年7月19日(金)
(時限)4、5、6時限 (科目)工法調査
(講師)公益財団法人文化財建造物保存技術協会
重要文化財 金剛寺金堂ほか2棟設計監理事務所
所長 青木 弘治 氏 ・資料とスライド
「 瓦葺きの仕様・工法の把握 」
・現状屋根の計画の把握
葺き直し施工の計画を立てる。
金剛寺の現場写真をもとに解説。
屋根の大きさの実測 棟、軒 等。
各長さを測る際、左右瓦の数が違う時があるので注意する。
各基準点位置の確認の際、真隅か振れ隅かに注意。
各瓦数量の拾い、使用瓦の確認では、使える瓦か、使えない瓦かを仕分け。
不足分は算出。
・各部の現状工法の調査
欠陥がみられる場合はその原因を知る。
金剛寺を例に現場見学している感覚で解説。
野地、葺土 瓦葺 棟積 鬼 箕甲 螻羽 の調査の解説。
この建物がどういう状態であるかを確認する。
・維持管理
・規矩術
差し金を使い、隅勾配 隅山勾配 谷瓦 の勾配を差し金を使って算出。
平成24年7月19日(金)
(時限)7、8時限 (科目)仕様調査
(講師)理事・監事 「 特定建物・使用瓦の実例・テンプレートの作成 」
・塚本理事長指導であらかじめ切っておいた瓦の部材を使い、テンプレートを作っていく。
・各部材の書き写す個所の説明。
極力正確な線を引いて行かないと後にくるいが生じてしまうことも。
このテンプレートをスキャナで取り込み、データ化してCADで使えるように。
平成24年7月19日(金)
(時限)9、10時限 (科目)建築技法形式・名称 構造技法・規矩木割
(講師)NPO法人・選定保存技術保存団体 日本伝統建築保存会
株式会社 天峰建設 代表取締役澤元 教哲 氏
「 日本建築の意匠の基本となる構造 技法の返還 規矩木割 」
・工事風景をおりまぜ解説、新築は基本生駒の長福寺をお手本に。
・規矩術について
技能=切ったり組んだり
技術=差し金を使う
表目、裏目の説明。
・全員実際に描いてみながら各勾配を算出していく。
・棒隅屋根
木面戸等の留隅を出す方法を差し金を使って検証。
垂木のあきに基づく軒の出を定める方法を差し金を使い検証。
平成25年7月20日(土)
(時限)1、2、3時限 (科目)保存修理一般
(講師)公益財団法人 文化財建造物保存技術協会
事業部 管理室主幹 兼技術 研修センター
参事 野尻 孝明 氏 ・資料とスライド
「 文化財修復:原理原則 」
修理事業(工事)の流れと関係者
・特徴 先に建物がある ・調査と記録が重要 ・公共性が高い
修理事業の文書 (原理原則のありか)
・設計図書(仕様書)→解体工事、調査・記録
・破損調査 ・技法調査(仕様調査) ・実施仕様 ・史料調査
以上までを、主に専修寺如来堂を参考に説明
・文化財建造物保存修理補助事業実務の手引き(H15、H17改訂)
・文化財保護法 (M4太政官布告、M30古社寺保存法)
・ヴェニス憲章 1964年
平成25年7月20日(土)
(時限)4、5、6時限 (科目)屋根工事
(講師)公益財団法人 文化財建造物保存技術協会
事業部 設計室史跡整備設計課長
参事 春日井 道彦 氏 ・資料とスライド
「 建造物屋根形式 」
檜皮、こけら、金属、茅等材料・構造技法の変遷・工法の基礎知識
・各葺材ごとに 構成要素、材料、工具、工程、歴史、特徴を
質疑応答とともに説明
・その他の屋根葺材料 石葺、杉皮葺
平成25年7月20日(土)
(時限)7、8、9、10時限 (科目)実習・実測調査
(講師)理事・監事 「 特定建物・使用瓦の実例・テンプレートの作成 」
・引き続きテンプレートの作成。
・隅勾配の計算式の説明、宿題
平成25年7月21日(日)
(時限)1、2、3、4、5、6時限 (科目)実習・実測調査
(講師)理事・監事 「 特定建物・使用瓦の実例・テンプレートの作成 」
・引き続きテンプレートの作成。
・作成したテンプレートを使い、平瓦展開図の製図。
・前日の宿題の回答。
・振隅勾配の計算式の説明
以上を質問、応答を繰り返しながら進行