活動報告一覧
平成24年度 文化財見学研修会
2012年12月17日
平成24年12月7日(金)兵庫県姫路市、姫路城の見学会を行いました。
城内案内のもと約2時間程見学をしました。現在、平成の大改修が行われ、工事は最終段階にきていて瓦工事はほぼ完成した状態でした。また、大天守の周りには工事の足場が組まれ、カバーで覆われている状態でした。外観に大天守の絵が描かれていました。建物は、9階建て。天守南側から入ります。内部は、1階が展示スペースになっており、そこからエレベーターで一気に8階まで上がります。何しろガラス張りのエレベーターのすぐ外に天守台の石垣、そして天守五層分を真近に見ることができました。姫路城は、1346年に造られた、元々は小さな城でした。その後1580年に当時羽柴秀吉と名乗っていた、後の豊臣秀吉が、対毛利の拠点とするために譲り受けて改築しました。姫路城が現在の姿になったのは、江戸時代に入ってからになります。池田輝正が大がかりな改修を加えて現在のようになったようです。展示場では軒巴瓦・鬼瓦・鯱などの時代背景を感じた展示でした。豊臣秀頼に嫁いだ2代目将軍徳川秀忠の長女千姫が、大阪城落城の後、本多忠刻に再嫁して過ごした場所が、ここ姫路城西の丸。千姫のために建てられた壮大な建物でした。見学後記念撮影をして近くでお茶を飲みながら、地元の表様の話を聞いた後解散。
『平成24年度 後期 中級伝統的瓦葺技能研修会』11月静岡会場 活動報告
2012年11月30日
平成24年度 中級伝統的瓦葺技能研修会
日時 平成24年11月23日(金)~25日(日)
会場 株式会社 瓦粋 研修場
参加者 研修生 12名 オブザーバー参加者10名 補助員3名 内部講師 理事長以下6名
第1日目
・9時30分集合受付を開始し、会場セッティングならびにミーティングを執り行う。
・架台施工研修も佳境に入り、刀根丸の仕上げ、袖丸の仕上げ、縋破風の収まり検証と縋袖丸の仕上げ
に入ってゆきます。各部位で仮合わせや加工が済んだ瓦を、納まり場所にそぐう条件や施工方法につ
いて検証し、納めてゆきます。刀根丸の考え方では破風尻で起こる一度むくり、反りに変化する曲率
変化による刀根丸線の出し方や、拝み巴迄の線の出し方。袖丸部位での納では垂れの角度の考え方や
納に注意する点、箕甲最深部の高さの検証。縋袖丸では、下端線の意匠的考察や袖丸から素丸に変化
する過程での考え方など、仕上げに関する急所の研修に終始し、皆が真剣に「美しい納まり」と向き
合い、明日に控えた鬼瓦施工の準備を終えた時点で初日の作業が終了。
第2日目
・実技として最終段階、各鬼瓦の取り付けへと進んでまいります。
大鬼、降り鬼、隅鬼、二の鬼、妻降り鬼、それぞれの鬼立ちの位置を検証し、実際に鬼を立てて行き
ます。大鬼では刀根丸線、掛瓦瓦頭線、破風板の転び線等大鬼の角度による見え方や、仕上がり鳥衾
線、棟仕上がり線との錯覚等据付角度の検証を行い、受講生により取り付け施工。降り鬼瓦では、平
部流れ全長との取り付け位置関係や、教科書等により伝えられている、取り付け位置との違いを検証
して行きました。隅鬼、二の鬼では振れ隅による化粧隅木と野隅木の角度の違いから起きる、向きの
違いと取り付けに対する考え方、また、隅棟熨斗瓦の長さと、二の鬼取り付け位置に交わる素丸通り
等を考察。急所であるポイントの一つ、隅棟、掛瓦破風尻の交点で暗部に取り込まれる刀根丸の入り
込みから、隅棟尻高さと降り棟取り付位置高さの関係の考察まで、美しく仕上げるための納まりを研
修。受講生、オブザーバー共々、講義の内容に一言一句聞き漏らしの無い様に、最後まで真剣にメモ
を取る姿が見られ、会場は真剣さが漂う最終日となりました。
第3日目
・2年間の集大成いよいよ中級研修会終了試験の始まり。12名の受講生は午前中3時間半を掛け、本
葺き軒流れ断面、水平断面課題図の製図と、傘勾配隅勾配角度の求め方と作図。午後には2年間で受
講した講義に対する習熟度を調査する筆記試験を執り行いました。やはり試験、皆一様に真剣な眼差
しで取り組んでおりました。2年間苦楽を共にした12名の仲間、緊張から解き放たれ、お互いの安堵
の顔と苦労をねぎらい合う言葉が飛び交うその光景は、素晴らしく充実した2年間を物語っておりま
した。その間オブザーバー達は、今までの研修会で見聞きして来た知識と、見学先8ヶ寺に及ぶ写真
資料を下に、寺院建築見学研修へと足を運びました。様々な納まりを目の当たりにして、納まりの推
測から考察法等、見学研修も真剣です。次に見据えた中級研修参加に向け、更なる志を胸に真剣な見
学研修となりました。2年間の中級研修会は、研修生12名に修了証を授与、合格通知が届くのを待
つと共に、更なる飛躍の約束と2年後の上級研修会での再会を誓い帰路へと向かいました。
2年間の研修会開催にあたり、諸先生方のご指導、ご支援に感謝申し上げると共に、受講生の皆様、
オブザーバー参加者の皆様、ご参加頂いた全ての皆様にお礼申し上げます、誠に有難う御座いました。
平成24年度 初級伝統的瓦葺技能移動研修会in大阪
2012年11月30日
平成24年度 「初級伝統的瓦葺技能移動研修会 in大阪」
日時 平成23年10月28日(金)~30日(日)
会場 大阪府大阪市人材開発センター (大阪府和泉市テクノステージ2-3-5 )
参加者 研修生 12名 内部講師 理事長以下6名 大阪瓦組合員見学オブザーバー4名
※ 初級移動研修会では各地方に出向き、研修の機会と場所を提供し、後継者育成に努める人材の育成
が目的であるため、参加者全員が施工図作図から実際の瓦を触り、屋根架台施工を行うことで経験値
を増やすことがこの研修の本来の姿である。
第1日目
・13時00分集合受付を開始し、会場セッティングならびに開会式を執り行う。
・5時限~8時限目 隅棟の施工図作図より実際の隅棟施工までを行う初級研修会では、3日間で基本と
なる描き方、納まり、施工を研修するため、全てが凝縮された研修内容となる。短期で技能習得を目
指す研修生は真剣な眼差しで講師の話に耳を傾けていました。
始まりに隅棟の考え方から、隅棟の仕上がり線の決め方の講習を受けると、課題に準じ施工する棟の
線を決め、のし瓦からテンプレートを起こして棟断面図を作図、隅棟側面図作成、棟積み工法の基礎
を習得して緊張感の漂う中、初日の研修が終了しました。
第2日目
・1時限目~10時限目 架台に原寸図から算出した位置に鬼瓦を設置、仮想土井丸瓦施工上に、鎖垂水の線に準じ台面熨斗施工準備。同時に瓦の選別作業と、瓦計測記録表の作成と原寸図から導き出した鳥居の作成に入る。受講生全員で台面の施工から始まり、のし瓦の一枚一枚勾配管理の仕方、台面の下端・上端・2段目との関係が出る背中位置の上端の線など、棟積みに欠かせない注意点に意識を置き、全員が隅棟台面施工に勤しむ事で基準作りの大切さを再確認した。続けて原寸図より導き出した棟の位置に鳥居型を設置、捨てのし位置に水糸を張り不具合の有無や、鳥居の設置位置となる基準の考察、不陸調整の仕方を学び、ステ熨斗瓦の準備をして加工をして2日目の講習が終了しまた。
第3日目
・1時限目~7時限目
3日目に入り講習生の打ち解けた雰囲気の中でも、瓦を触りだすと真剣な眼差しは、この講習会に参加
することで何かを得て帰ろうとする受講生の貪欲さが表れており、有意義な講習会となっていること
が見て取れました。前日からの続きで、捨てのし3段の施工と割熨斗瓦の施工棟前後・2台の研修架台に向かい合い4か所に分かれ施工。持ち場所のローテーションを組んで受講生が順次施工してゆきました。熨斗瓦を終了すると鳥居を丁寧に外し、積み上げられた仕上がり線を格段毎にチェック。不具合個所には、講師が原因と経過・結論を交え説明し理解度を深め、仕上げの衾施工に入り無事隅棟架台が施工終了しました。
今回の研修会で得た経験を現場にフィードバック出来るよう、日々の研鑽に勤しむ事で文化の継承を
約束し修了証を受け「初級伝統的瓦葺技能移動研修会 in大阪」が無事に終了致しました。
『平成24年度 後期 中級伝統的瓦葺技能研修会』9月静岡会場 活動報告
2012年11月30日
平成24年度 後期 中級・伝統的瓦葺技能研修会 9月報告書
日時 平成24年9月28日(金)~30日(日)
会場 株式会社 瓦粋 研修場
参加者 研修生 12名 オブザーバー参加者7名 内部講師 理事長以下8名 補助員2名
総勢29名参加にて開催
1日目
今回は、瓦を納める作業が主体となります。7月に選別を済ませた瓦をどのような手法を用いて納めれば、自分がイメージした屋根の納まりとなるのか、又は原寸図通りの納まりになるのかを学びました。
まず、敷平瓦・唐草瓦・の納めでは、3点法を用いて納めます。3点法は反りのある屋根を納める場合最も多用される手法なので、その原理や使用する場合の目線の位置、応用方法についての講習となります。受講生それぞれが、疑問点を講師陣に問い合わせながら作業が進んでいきます。
2日目
2日目の作業は、切隅・平瓦・軒巴の納めと進んでいきます。軒巴はその後に繋がる素丸瓦の通り、高さを考慮して納め尚軒巴かわらの鏡の通りを通すための配慮が必要です。
平瓦は、縦桟木に対してどの位置にあるべきか、平瓦の捩じれは適切か、水垂の隙は適切か等、細心の注意を払い納めていきます。オブザーバー参加者も今回の研修では実際に瓦を納めることは出来ないなかでも、普段の仕事をふり返り積極的に講師陣へ、疑問・質問を行いスキルアップの姿勢が伝わりました。作業はこの後丸瓦葺、掛唐草施工へとつづきます。
3日目
この3日間を通し、各班毎に交代で作業主任を選任し、資材の配置や人員の作業分担について指示を出すよう指導し、今後の技能後継者を指導する立場としてのスキルと自覚も身につけてもらうな、研修会を目指し講師陣は指導にあたりました。
平成24年度 『初級 伝統的瓦葺技能移動研修会in大阪』
2012年09月26日
『NPO法人 日本瓦技能継承甍会 平成24年度 初級 伝統的瓦葺技能移動研修会in大阪』 開催にあたり会員・一般より研修参加者を募集いたします。
参加希望者は神奈川:技術・研修センターまで「申し込み書希望」とお問い合わせください。
技術・研修センター:〒243-0803 神奈川県厚木市山際897-6
NPO法人 日本瓦葺技能継承甍会 技術・研修センター ㈲松枝瓦店内
TEL 046-245-0018 FAX 046-245-7442