活動報告一覧
平成23年度 初級伝統的瓦葺技能移動研修会in岐阜
2011年11月29日
平成23年度 「初級伝統的瓦葺技能移動研修会 in岐阜」
日時 平成23年10月28日(金)~30日(日)
会場 岐阜県人材開発センター (岐阜県岐阜市学園町2丁目33)
参加者 研修生 8名 内部講師 理事長以下7名
※ 初級移動研修会では各地方に出向き、研修の機会と場所を提供し、後継者育成に努める人材の育成
が目的であるため、参加者全員が施工図作図から実際の瓦を触り、屋根架台施工を行うことで経験値
を増やすことがこの研修の本来の姿である。
第1日目
・13時00分集合受付を開始し、会場セッティングならびに開会式を執り行う。
・5時限~8時限目 棟の施工図作図より実際の本棟施工までを行う初級研修会では、3日間で基本とな
る描き方、納まり、施工を研修するため、全てが凝縮された研修内容となる。短期で技能習得を目指
す研修生は真剣な眼差しで講師の話に耳を傾けていました。
始まりに棟の考え方から、棟の仕上がり線の決め方の講習を受けると、課題に準じ施工する棟の線を
決め、のし瓦からテンプレートを起こして棟断面図を作図、鳥居による棟積み工法の基礎を習得して
緊張感の漂う中、初日の研修が終了しました。
第2日目
・1時限目~10時限目 架台に原寸図から算出した位置に鬼瓦を設置、仮想甍軒瓦施工。同時に瓦の選
別作業と、瓦計測記録表の作成と原寸図から導き出した鳥居の作成に入る。受講生全員で台面の施工
から始まり、のし瓦の一枚一枚勾配管理の仕方、台面の下端・上端・2段目との関係が出る背中位置の
上端の線など、棟積みに欠かせない注意点に意識を置き、全員が台面施工に勤しむ事で基準作りの大
切さを再確認した。続けて原寸図より導き出した棟の位置に鳥居型を設置、仕上がり線確認の為に天
のし位置に水糸を張り不具合の有無や、鳥居の設置位置となる基準の考察、不陸調整の仕方を学び、
割のし2段を施工して2日目の講習が終了しまた。
第3日目
・1時限目~7時限目
3日目に入り講習生の打ち解けた雰囲気の中でも、瓦を触りだすと真剣な眼差しは、この講習会に参加
することで何かを得て帰ろうとする受講生の貪欲さが表れており、有意義な講習会となっていること
が見て取れました。前日からの続きで、割のし3段目以降の施工を棟に対し中央より前後・左右4か
所に分かれ、施工持ち場所をローテーションを組んで受講生が順次施工してゆきました。のし終了す
ると鳥居を丁寧に外し、積み上げられた仕上がり線を格段毎にチェック。不具合個所には、講師が原
因と経過・結論を交え説明し理解度を深め、仕上げの衾施工に入り無事棟架台が施工終了しました。
今回の研修会で得た経験を現場にフィードバック出来るよう、日々の研鑽に勤しむ事で文化の継承を
約束し修了証を受け「初級伝統的瓦葺技能移動研修会 in岐阜」が無事に終了致しました。
『平成23年度 中級伝統的瓦葺技能研修会』活動報告9月 静岡会場
2011年11月29日
平成23年度 中級伝統的瓦葺技能研修会
日時 平成23年9月24日(土)~26日(月)
会場 株式会社 瓦粋 研修場
参加者 研修生 12名 オブザーバー参加者8名 内部講師 理事長以下8名
第1日目
・9時30分集合受付を開始し、会場セッティングならびに開会式を執り行う。
・3時限~4時限目 前回出された復習の原寸図課題を検証・確認。不備の個所には講師が丁寧に書き
損じ箇所を指摘、受講者全員の理解度を再度チェックしました。
5時限~10時限目、架台データーを基に軒先流れ断面を作図、施工図を描くことに慣れ始めた講習生
は、講師のアドバイスに対し的確に対応し始め、より正確な図面が書き上げられました。
軒先断面図の仕上がり後、流れ方向正面より軒先を見た正面図へと書き移り、原寸図の基本となる図
面を理解し、グループ毎に進み具合に遅れの出ないよう、講師がフォローしながら初日の授業が終了。
第2日目
・1時限目~10時限目 掛瓦中央最深部断面図では、掛瓦の勾配と利根地・袖地の関係や、最深部の袖
丸の高さと、美しい箕甲状に納まる丸上端の線の決め方を考察しながら書き始め、続く拝み断面図で
は、棟幅位置での台面下場の通り位置と拝巴納まり位置・高さの関係を確認し施工図を書き上げ、拝
み正面図へと展開をして行きました。実際の現場での納まり経験値を脳裏に描きながら、理論的に施
工図に描き変えて行くことは、これからの後進指導者としてのスタートでもあります。口伝とされた
技能を技術として伝えるための講習でもあるため、その点も理解しながら受講していました。
オブザーバー参加者はこの間、受講生が書き出して行く施工図描き手順を、資料の裏に書き写すなど
して、同じ様に講義の内容を一言一句聞き漏らしの無い様に真剣にメモを取る姿が見られ、オブザー
バー参加者各位は次回中級研修開催の対象者として自覚を持ち、自習に余念がありませんでした。
私語もほとんど聞こえない会場は真剣さが漂う2日目となりました。
第3日目
・1時限目~6時限目 各自前日書き出した原寸図を仕上げ確認し、受講者全員の理解度を再度チェック
しながら3日目を開始。
掛瓦の拝みおよび中央部分の正側面図より立体的な伏図へと展開。是からはより難しい破風尻部分等
の図面へと進んで行く為、その基となる笠勾配の考え方を講師が 真隅・振れ隅へとレベルを上げて
手順を説明しながら描いて見せた後 受講者のみならずオブザーバーも資料の裏面等を利用し一通り
描いてみました。大半の受講者は理解できたものとおもわれます。
又、次回開催の11月までに、今回受講した内容を良く復習し、書き上げ予定だった原寸図を仕上げて
くることを課題として、第3回 中級東日本研修会が無事に終了致しました。
平成23年度 移動 初級伝統的瓦葺技能研修会 開催のお知らせ
2011年08月27日
『平成23年度 中級伝統的瓦葺技能研修会』活動報告7月 静岡会場
2011年08月03日
平成23年度 中級伝統的瓦葺技能研修会
日時 平成23年7月29日(金)~31日(日)
会場 株式会社 瓦粋 研修場
参加者 研修生 12名 オブザーバー参加者12名 内部講師 理事長以下5名
第1日目
・9時30分集合受付を開始し、会場セッティングならびに開会式を執り行う。
・1時限~2時限 日伝建 ㈱天峰建設 澤元教哲 講師をお迎えし、入母屋架台原寸図、規矩術による
作図方法の基礎をご講義いただきながら、実際に1/10図面を作図。
・4時限~10時限目 内部講師による講習が始まり、今回より使用する入母屋研修架台を前に、原寸図
作成に必要な各部位の計測や架台の検証を行いました。
研修架台に使用される瓦の計測や、屋根原寸図に必要な瓦のテンプレート作りの準備では、研修生12
名が、3名4班に別れ、グループ毎に原寸図の考え方などを話し合い、計測架台の基準数値発表や、瓦
の切断面の墨入れ指導を受けた後、各班で準備に勤しみ、2日目の瓦カットの準備を終えた時点で初日
の作業が終了。
第2日目
・1時限目~10時限目 朝からテンプレート作りの為、瓦のカット作業を順次進めて行き、班毎にボー
ル紙に墨を入れ、テンプレート作りがスタート。
テンプレートの精密さが原寸図に多大な影響を及ぼすため、如何に精密に作ることが大切かの説明を
受けた後は、各自真剣に取り組んでおりました。
オブザーバー参加者も、受講者がテンプレート書き写し後、資料の裏に同じ様にテンプレートの書き
込みをし、講義も一言一句聞き漏らしの無い様に真剣にメモを取る姿が見られ、各自が自習に余念が
ありませんでした。
テンプレートが出来上がると、実際に瓦の流れ断面図や水平断面図の書き出しが始まり、班毎に計測
した数値に基づき作図の開始。基準位置の考え方や書き方の基本を踏まえ、正確で丁寧な原寸図の書
き方を習得しようと、会場は真剣さが漂う2日目となりました。
第3日目
・1時限目~6時限目 各自前日書き出した原寸図を確認し、不備が生じた受講者には、講師が丁寧にテ
ンプレートのズレや、書き損じ箇所を指摘、受講者全員の理解度をチェックしながら3日目を開始。
基本図面が書き上がったところで、正書用に用意されたフィルムに正確な原寸図を書き込んで行きま
した。
又、次回開催の9月までに、今回受講した内容を良く復習し、書き上げ予定だった原寸図を仕上げて
くることを課題として、第2回 中級東日本研修会が無事に終了致しました。
『平成23年度 中級伝統的瓦葺技能研修会』活動報告
2011年06月03日
平成23年度 中級伝統的瓦葺技能研修会前期報告書
日時 平成23年5月28日(土)〜30日(月)
会場 コミュニティー嵯峨野 愛宕会議室
参加者 研修生 12名 オブザーバー 11名 内部講師 理事長含め9名
・ 前日より理事7名が会場のレイアウト、資料の製作などの準備を行う。
第一日目
・9時30分から受付を開始。同時に会場のセッティングを行う。
・10時30分から開校式。理事長挨拶の後、自己紹介、カリキュラム説明を行う。
・第4〜5時限 文化庁 西岡聡 講師
文化財の保護、法規について。東日本大震災被災地の文化財被害報告を写真を交え説明。
・第6〜8時限 東文研 亀井伸雄 講師
文化財建造物保護行政の歴史と現状について。建造物から景観、技術の継
承に至るまで幅広い文化財の保護が必要。
・第9〜10時限 日伝建 澤元教哲 講師
建築技法形式・名称、構造技法・規矩木割。規矩術など施工写真を交え
説明。大工、葺き師が技能を共有し、これが出来たら死んでもいいと思う
仕事を目指す。
l 各講師の最後の時限には質問時間をとる。毎回二名ほど質問。
第二日目
・第1〜3時限 文建協 高品正行 講師
調査方法・概要。粘土瓦の変容 製造、意匠の変遷。小林章夫氏との交流。
古瓦が存続してきた意味を理解する意思が必要。
・第4〜6時限 文建協 野尻孝明 講師
保存修理一般。文化財修復、原理原則。専修寺の修復の写真を紹介。
日本の保護法とヴェニス憲章を比較。
・第7時限 河合義夫 内部講師
瓦葺き工法の仕様の把握。瓦の専門的な話ということもあり、質問が参加
者から多数挙がる。特に土葺きの工法では積極的に意見の交換がみら
れた。
・第8〜10時限 文建協 春日井道彦 講師
建造物屋根形式 桧皮、こけら、金属、茅等の基礎知識を写真で紹介。
平城宮の施工写真、原皮師のこと、茅葺きの刈り込み等の話は皆興味をもっていたようだ。休憩時間にも講師に質問する参加者がいたほど。
第三日目
・第1〜6時限 文建協 青木弘治 講師
工法調査、維持管理。実測や各部の調査を図面などで詳しく解説。
熊本城や周辺の唐破風の形状など興味深い写真を多数紹介。
・研修会終了時に理事長の挨拶、写真撮影の後、解散。
・その後理事会を開き5時終了。